icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 窒素化合物

アンモニア

著者: 斎藤孝仁1 井上和明1 与芝真彰1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.168 - P.170

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 アンモニアは主として腸管内で食事蛋白から生成されるが,核酸などおよそNを含むあらゆる有機物からも発生する.アンモニアは中枢神経系に対し毒性を有するため,肝に存在するウレアサイクルを介して毒性の低い尿素に変換され,腎から排泄される.その他,アンモニアは肝,筋肉,脳,腎においてα-ケトグルタル酸→グルタミン酸→グルタミンへと変換する際に1分子ずつ取り込まれて解毒されるし,クエン酸→アラニンの変換にも1分子取り込まれ解毒されるが,これらの系はアンモニアの摂取容量が小さく,この反応は可逆的であり,再びアンモニアを放出するので,最終的にはウレアサイクル機能がアンモニア代謝の要となる.血中アンモニア上昇はアンモニアのウレアサイクルの代謝が阻害される以下の病態で上昇する.

 先天性ウレアサイクル異常症

 劇症肝炎や非代償性肝硬変などによる後天性の肝不全状態

 特発性門脈圧亢進症などによる門脈-体循環シャント(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら