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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 窒素化合物

クレアチン,クレアチニン

著者: 半羽慶行1 秋澤忠男1

所属機関: 1和歌山県立医科大学腎臓内科・血液浄化センター

ページ範囲:P.171 - P.173

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義1,2)

 クレアチンは,健常成人の体内に100~120g存在し,そのうち2~3gが毎日代謝されている.1日代謝量の約半分は肉や魚などの食物から摂取され,残りの半分は体内のアルギニン,グリシン,メチオニンから合成される.クレアチンの約95%は骨格筋に存在し,残りは精巣,心筋,脳などに含まれている.最終的にクレアチンは筋において脱水され,最終代謝産物であるクレアチニンとなる.血液中クレアチンは,大部分が赤血球中に存在するため,血清濃度は1mg/dl以下と低値である.クレアチンは糸球体にて濾過された後,尿細管でほとんどが再吸収され,閾値を超えた場合に尿中に排泄される.

 クレアチニンはほとんどが筋肉で産生されるため,産生量は総筋肉量に比例する.血液中のクレアチニンは糸球体で濾過された後,ほとんど再吸収されずに尿中に排泄される.それゆえ,血清クレアチニン値は糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)と筋肉量の影響を受け,GFRの低下や筋肉量の増加が起こると血清クレアチニンは上昇する.また,尿中クレアチニン排泄量は体重,運動量,腎機能に著変がない限り1日生産量とほぼ同等で一定と考えられており,尿中クレアチニン値は蓄尿検査の正確さの指標となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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