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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 窒素化合物

クレアチニンクリアランス(Ccr)

著者: 半羽慶行1 秋澤忠男1

所属機関: 1和歌山県立医科大学腎臓内科・血液浄化センター

ページ範囲:P.174 - P.176

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義1,2)

 健常成人では1分間当たり100ml(24時間で140l)の血漿が糸球体で濾過され,尿細管でさまざまな修飾を受け尿がつくられる.体内の細胞外液の総量は10~20lであり,細胞外液は1日12~15回程度糸球体で濾過されることになる.これは極めて多量の細胞外液が糸球体で濾過され再吸収されることを示し,これによって老廃物の排泄や水電解質代謝が調節されている.糸球体で濾過されたものの排泄は,濾過された大部分が尿中に排泄されるクレアチニンのようなものから,ほぼ100%尿細管で再吸収され尿中に排泄されないグルコースなどまで物質によりさまざまである.

 一般に腎機能は,老廃物の除去にかかわる糸球体の濾過機能,糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)で表される.GFRは「単位時間当たりに糸球体で濾過された水(血漿)の量」であり,腎機能低下とともにその量は減少する.しかし,真のGFRを求めることは難しく,いくつかの検査値で代用され,その1つがクリアランスである.尿中に排泄される物質のクリアランスは「ある物質が単位時間内に尿中に排泄された量と同じ量を含む血漿量(濾過量)」と定義される.尿細管や集合管でまったく再吸収や分泌が行われない物質であれば,尿中に排泄される量と糸球体からの濾液に含まれる量は等しいことになる.それぞれの量は尿中,血中濃度から計算でき,表1の①の式が成り立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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