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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 酵素および関連物質

ビリルビン

著者: 村脇義和1

所属機関: 1鳥取大学医学部機能病態内科学

ページ範囲:P.177 - P.179

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 正常人においては1日250~350mg(4.4±0.7mg/kg)のビリルビンが網内系細胞で生成されるが,そのうち約70%は老化赤血球のヘモグロビンに,10~20%は骨髄の無効造血に,約10%は肝のヘム蛋白に由来する.生成された非抱合ビリルビンはアルブミンと結合して肝に運ばれ,OATP(organic anion transporting polypeptide)を介して肝細胞に取り込まれる.その後,輸送蛋白Z,Yにより小胞体に運ばれ,そこでbilirubin uridine diphosphate glucuronosyl transferase(UGT)によりグルクロン酸抱合を受け,抱合ビリルビンとなり毛細胆管側膜に存在するMRP2(multidrug resistance protein 2)を介して胆汁中に排泄される(類洞側膜にはMRP3が存在する).したがって,血中ビリルビンの上昇は,ビリルビンの生成増加,肝細胞でのビリルビンの摂取,輸送,抱合,排泄の障害,胆道系での排泄・流出障害で認められる.臨床的にはビリルビン測定は肝・胆道系疾患,溶血性疾患,体質性黄疸などの診断,鑑別,経過観察,予後判定などに利用される.

臨床上の重要性と選択

 血清中の総ビリルビン,直接(抱合)ビリルビン,間接(非抱合)ビリルビン(総ビリルビン-直接ビリルビンで算出)の観察は,臨床では下記の目的で使用される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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