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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集 血液生化学検査 酵素および関連物質

LAP

著者: 相磯光彦1 滝川一1

所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座

ページ範囲:P.196 - P.197

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異常値の出るメカニズム

 LAP(leucine aminopeptidase)はペプチドのN末端のアミノ酸を遊離する酵素である.他のペプチダーゼ同様,brush border membraneに局在し,毛細胆管,腎尿細管,腸絨毛,膵などにも分布する.肝細胞ではγ-GTPと同様にミクロゾームと毛細胆管膜に局在する.血清中のLAPはγ-GTPと同様に肝・胆道系疾患に特異的である.アルコール性肝障害や薬物性肝障害ではアルコールや薬物の常用によって誘導され,肝に増加し,障害が加われば血中に増加する.また,胆汁うっ滞やその他の胆道系疾患で幅広く上昇する.そのため,LAPはALP,γ-GTPとともに胆道系酵素と呼ばれ,黄疸の鑑別,肝・胆道系疾患の診断および経過観察に用いられている.

臨床的意義

 肝・腎などの細胞膜に存在する酵素m-LAP(膜結合性アミノペプチダーゼ)は,合成基質(leucyl-β-naphthylamide)を用いて測定されたLAP活性であり,肝・胆管系の炎症,胆道閉塞などで上昇する.高度の上昇は閉塞性黄疸や原発性胆汁性肝硬変を疑う.また薬物,特にミクロゾーム酵素誘導をもたらす薬物では上昇する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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