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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集 血液生化学検査 酵素および関連物質

ICG排泄試験

著者: 渡邊綱正1 山田雅哉1 与芝真彰1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.206 - P.208

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 ICG(indocyanine green:インドシアニングリーン)は暗緑色の合成色素で,血管内注入後,ほぼ完全に血漿蛋白と結合し(主にリポ蛋白と結合,一部はアルブミンと結合),血中を循環後,肝にのみ選択的に取り込まれる.肝細胞内に取り込まれたICGは,抱合を受けることなく,そのままの形で胆汁中に排泄され,腸管循環をせず,また肝外排泄もなく,腸管に排泄される.一定量のICG投与後,経時的に血中の残存量を測定することにより,①有効肝血流量,②肝細胞の色素摂取・排泄能がわかる.臨床的には肝疾患の診断をはじめ,その重症度判定,治癒,予後の判定などに用いられる.また,外科的にも手術適応や術式の決定,切除範囲の決定など,手術の患者管理面で肝予備能力を定量的に反映する検査法である1)

 具体的にはICG排泄試験の指標として血中消失率(K値),および15分停滞率(ICG R15)が用いられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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