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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 酵素および関連物質

ADH(アルコール脱水素酵素)

著者: 山内眞義1

所属機関: 1やまうち内科クリニック

ページ範囲:P.218 - P.219

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 ADH(alcohol dehydrogenase)は多数のアイソザイムが存在するが,エタノールを基質としてその活性を測定した場合,本酵素の生体内分布は95%が肝で,他臓器では胃粘膜,腎,睾丸,脳,網膜などでわずかに活性を認めるのみであり,肝細胞内では細胞質に局在する.したがって,ALTやLDHなどと同様に肝の逸脱酵素としての性格を有することから,本酵素の血清中の活性を測定することは,肝細胞障害の程度を把握するのに有用な検査である.組織所見の中で,肝細胞壊死の程度と血清ADH活性とが相関することが明らかにされている.

 検体取り扱い上の注意

 ADH活性は4℃保存で24時間後には20%失活するため,採血後は速やかに測定するか,-80℃で保存し,2カ月以内に測定することが望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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