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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 糖質および関連物質

尿中微量アルブミン

著者: 古家大祐1

所属機関: 1金沢医科大学内分泌代謝制御学

ページ範囲:P.230 - P.231

文献概要

微量アルブミン尿の出るメカニズム

 腎糸球体基底膜には蛋白を通さないバリアー機能があり,健常人では尿中に極めて少量の蛋白しか排泄されない.このバリアーにはチャージバリアーとサイズバリアーの2種類が存在する.チャージバリアーは糸球体基底膜の陰性荷電によるものであり,その結果として陰性荷電を有する血中のアルブミンは通過しにくい.一方,サイズバリアーは糸球体基底膜のポアサイズ(穴の大きさ)がその主体であり,血中の蛋白分子量が大きいと通過しにくい.糖尿病性腎症(腎症)では最初にチャージバリアーが障害され,次いでサイズバリアーが障害される.

 アルブミンは分子量が約67,000で,サイズバリアーをかろうじて通過可能であるが,陰性に荷電しているため通常では通過しない.腎症でチャージバリアーが障害されると尿中アルブミン排泄量が増加し,いわゆる微量アルブミン尿となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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