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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 糖質および関連物質

1,5-AG(1,5-anhydroglucitol)

著者: 山内俊一1

所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座

ページ範囲:P.232 - P.234

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 1,5-AG(1,5-anhydroglucitol)はグルコースとよく似た構造を有するため,高血糖により尿糖が排泄されると,腎尿細管での再吸収が競合阻害を受けて尿中に排出され,血中濃度が低下する.血糖上昇が軽度で短時間であっても,尿糖は速やかに排泄されるため,1,5-AGはすべての血糖指標の中で,血糖変化を最も早期にとらえる先行指標となる1)

 減少後,治療により血糖が完全に正常化して尿糖がなくなると,1日あたり0.3μg/mlのほぼ一定の速度で,その個人がもつ基準値にまで回復する.1,5-AGの代謝は活発ではなく,供給量もほぼ一定であるため,この回復率には日差や個人差は少ない.回復過程で尿糖が出現すると,その量に応じて増加量が鈍るか,再度減少する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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