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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

LDL-コレステロール,HDL-コレステロール

著者: 岡田正彦1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科予防医療学分野

ページ範囲:P.254 - P.255

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 最近,メタボリックシンドロームという概念が新たに提唱され,わが国でも日本動脈硬化学会など関連8学会が合同で,その診断基準を発表した.ところが,その基準にコレステロール値が含まれていなかったことから,「危険因子ではなくなったのか?」との誤解を生んでしまった.しかし,コレステロールが心筋梗塞の独立した危険因子であることに変わりはない.メタボリックシンドロームの根幹をなす肥満,高中性脂肪血症,糖尿病,高血圧は相互に関係が深く,これらを症候群とすることで,コレステロールとともに危険因子が二本柱としてまとめられたと考えればよいであろう.

 さて,そのコレステロールは肝臓で合成され,中性脂肪とともにリポ蛋白として血液中に放出される.直後はvery low density lipoprotein (VLDL)と呼ばれる.その後,中性脂肪がlipoprotein lipase (LPL)による加水分解を受け,遊離脂肪酸としてリポ蛋白から離れていく.コレステロールはそのまま残るが,結果的にリポ蛋白のサイズは小さくなり,intermediate low density lipoprotein (IDL)を経てlow density lipoprotein (LDL)へと小型化していく.各リポ蛋白のサイズと機能は,その表面に存在するアポ蛋白と呼ばれる物質によって調節されている.LDLは血管内皮細胞に取り込まれ,その下層(内皮下)に排出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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