icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

内分泌学的検査 下垂体

ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)

著者: 庄司優1 須田俊宏2

所属機関: 1弘前大学医学部臨床検査医学 2弘前大学医学部第3内科

ページ範囲:P.320 - P.321

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)はアミノ酸39個からなるポリペプチドホルモンで,下垂体前葉ACTH細胞で合成され分泌される.分泌されたACTHは副腎皮質のACTH受容体に結合し,コルチゾールの合成・分泌を促進する.血漿ACTH濃度は,ACTHの半減期が約10分と短いため,下垂体前葉からの分泌を反映する.ACTHの分泌調節の3大因子はストレス,日内リズム,ネガティブフィードバックである.視床下部で産生されるCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)により刺激され,コルチゾールにより抑制される.日内変動では早朝起床時に高く,就寝時に低い(乳幼児期には日内変動は不明確).

検体採取と取り扱い上の注意

 早朝安静空腹時にストレスを避けて血漿分離用(ヘパリン,EDTAなど)の採血を行い,直ちに氷冷する.室温では不安定で分解酵素などの影響を受けやすい.冷却遠心により分離した血漿を測定まで凍結(-20℃以下)保存する.検体量としては血漿として0.5ml以上必要で,-20℃で凍結することによりほぼ安定した保存が可能である.ただし,溶解と凍結の繰り返しは避けること.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら