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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

内分泌学的検査 性腺

テストステロン

著者: 伊藤直樹1 塚本泰司1

所属機関: 1札幌医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.349 - P.350

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 テストステロンは精巣間質に存在するLeydig(ライディッヒ)細胞で産生される.その産生は視床下部-下垂体系の調節を受けている.視床下部から放出される黄体化ホルモン放出ホルモン(luteinizing hormone-releasing hormone:LH-RH)が下垂体に作用し,黄体化ホルモン(luteinizing hormone:LH)の産生,分泌を促す.LHが精巣Leydig細胞に作用しテストステロン産生を促進する.副腎皮質でも少量のテストステロンが産生されている.異常値は低値が問題となる場合と高値が問題となる場合がある.

 テストステロンが低値となる病態として,視床下部-下垂体の機能低下に伴い,精巣Leydig細胞からのテストステロン産生は低下する.思春期前に起こると2次性徴が発来せず,思春期後に発症すると性欲や性機能が低下し,この状態を低ゴナドトロピン性類宦官症という.一方,精巣自体の機能低下によるテストステロン産生不全の場合は視床下部-下垂体へのフィードバックがなくLHが上昇するため,高ゴナドトロピン性類宦官症という.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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