icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス関連検査

ロタウイルス

著者: 藤枝幹也1 森澤豊1

所属機関: 1高知大学医学部小児思春期医学

ページ範囲:P.388 - P.389

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 ロタウイルス感染症の好発年齢は生後6カ月~3歳で,2~4月の冬期後半から初春にみられる.潜伏期間は1~3日で,主に糞便中ウイルスの手指や食物を介した接触で感染する.乳幼児のみならず高齢者にもみられ集団発生もみられる.経口的に感染したウイルスは小腸に達して増殖し,腸管上皮細胞は破壊され,吸収障害を引き起こして激しい下痢を生じる.絨毛小窩部の浮腫が十二指腸に拡大すると胆汁分泌が障害され,水様性白色,黄白色下痢便となる.

 ロタウイルスは抗原性からA~G群に分かれ,ヒトに感染するのはA,B,C群である.構造蛋白による血清型に細分類され,嘔吐・下痢の原因としてA群の1,2,3,4,5,8,9型が多い.日本ではA群1型が最も多く,B群は中国やインドの成人例に,C群は年長児や成人での比較的小規模な集団感染例が報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら