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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

免疫学的検査 感染症関連検査 微生物の抗原・抗体検査

クラミジアトラコマティス抗原・抗体

著者: 松本哲朗1

所属機関: 1産業医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.391 - P.393

文献概要

 現在,クラミジアトラコマティス(Chlamydia trachomatis)感染症は,最も罹患率の高い性感染症である.その主たる感染部位は,男子では尿道,女子では子宮頸管である.クラミジアは男性では尿道炎,精巣上体炎,前立腺炎などの原因となる.女性では子宮頸管炎,卵管炎,骨盤内腹膜炎,肝周囲炎などを起こし,不妊症の原因となったり,流・早産との関連が指摘されている.感染源として,性風俗女性に代わり,友人や配偶者,ゆきずりの女性からの感染が増加している.一般女性にクラミジア感染が蔓延していることが示唆される.

 クラミジア性尿道炎は,淋菌性尿道炎と比較して,潜伏期間が1~3週間と長く,比較的緩徐に発症する.分泌物の性状は漿液性ないしは粘液性で,量も少量~中等量のことが多く,排尿痛も軽い.軽微な尿道そう痒感や不快感程度の症例も少なくない.クラミジア性子宮頸管炎は,症状に乏しく,50%以上は無症状で無症候性感染も多い.症状としては帯下の増加,軽度の下腹痛,不正性器出血が主なものである.性行為の多様化に伴い,oral sex による咽頭炎,anal sex による肛門直腸炎も発症する.また,新生児への垂直感染は20~50%と報告されている.垂直感染の新生児は結膜炎,鼻咽頭炎,肺炎などを発症する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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