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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

免疫学的検査 自己免疫関連検査

リウマトイド因子

著者: 熊谷俊一1 林伸英1 小柴賢洋1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学臨床病態・免疫学

ページ範囲:P.428 - P.430

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 リウマトイド因子(RF)が記載されたのは,75年も前のことである.その後IgGのFc部分を認識する抗体であることが明らかにされた.IgMクラスの抗体以外にIgG,IgA,IgEクラスのRFが存在する.その産生機構は不明であるが,遺伝的因子(HLA-DRなど)と環境因子とのかかわりが示唆されている.感染,喫煙,経口避妊薬などが環境因子として知られている.

 リウマトイド因子の名前が示すように,関節リウマチ(RA)との関連で開発されてきたが,感度は70~80%で,他のリウマチ性疾患のみならず,慢性肝炎や肺結核などの慢性炎症性疾患でも陽性となる.さらに健常人においても2~5%の陽性者が存在し,高齢者では陽性者が増加する.RFはアメリカリウマチ学会のRA診断基準(分類基準)の1項目にも採用され,RAの診断には必須の検査であるが,一方で偽陽性による過剰診断や偽陰性のための見逃しなどの多くの診断上の問題をもたらしてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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