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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗Jo-1抗体および,その他の抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体

著者: 井出宏嗣1 塩澤史隆1 花岡亮輔1

所属機関: 1昭和大学医学部リウマチ膠原病内科

ページ範囲:P.432 - P.433

文献概要

 抗Jo-1抗体をはじめとする抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体は,多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の疾患標識抗体である.対応抗原のアミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase:ARS)は,アミノ酸を対応するtRNAに結合させる反応を触媒する細胞質内酵素である.抗Jo-1抗体は,そのうちのヒスチジルtRNA合成酵素を対応抗原とする.そのほかにも5種類のARS(スレオニル,アラニル,グリシル,イソロイシル,アスパラギニルtRNA合成酵素)に対する,それぞれ抗PL-7,抗PL-12,抗EJ,抗OJ,抗KS抗体が見いだされ,これらの自己抗体は抗Jo-1抗体と併せて,抗ARS抗体と総称される(表1).

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 抗Jo-1抗体の産生のメカニズムおよび筋炎の病態形成へのかかわりは,いまだに判明していない.①ヒスチジルtRNA合成酵素とEpstein-Barr(EB)ウイルスなどウイルス蛋白,骨格筋蛋白のミオシンとのアミノ酸配列の分子相同性よる交差反応,②アポトーシスによって放出されたヒスチジルtRNA合成酵素の分解産物による自己免疫応答の誘導,などが考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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