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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗平滑筋抗体

著者: 谷合麻紀子1 橋本悦子1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.450 - P.451

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 抗平滑筋抗体(anti-smooth muscle antibody:SMA)は,ラット胃壁平滑筋と特異的に反応する自己抗体で,自己免疫性肝炎患者血清で陽性を示すことが最初に報告された.その後,筋蛋白成分の一種であるアクチンが主要対応抗原として同定された.本抗体の対応抗原に臓器特異性や種属特異性はなく,生体内では筋組織以外にも広く分布している.

 SMAはラット胃切片を用いた染色パターンから,アクチン型であるSMA-T(tubular:尿細管)とSMA-V(vessels:血管壁),非アクチン型SMA-G(glomerular:糸球体)の3種に分類され,自己免疫性肝炎においてはアクチン型の出現が特徴的と報告される.アクチンに対する自己抗体が陽性となる機序は明らかにされていないが,細胞骨格蛋白の障害により各々のペプチドに対する抗体が出現し,そのペプチドのクリアランス障害によりアクチンに対する自己抗体が持続的に陽性となると推測されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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