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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

腫瘍マーカー 消化器系

CEA(癌胎児性抗原)

著者: 石原武1 山口武人1 税所宏光1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学

ページ範囲:P.498 - P.499

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 胎児の消化管粘膜と共通の抗原性を持つ分子量18~20万の糖蛋白である.糖鎖部分の多様性から,単一の分子構造ではなく複数の分子種からなる抗原である.1965年,GoldとFreedmanにより報告1)された当初は大腸癌に特異的とされたが,検出感度を高めることにより,消化管癌をはじめとする多くの腺癌でも高値を示すことが判明した2).現在では種々の癌で増加する腫瘍マーカーとして広く用いられている.

 正常組織でもCEA(carcinoembryonic antigen)は上皮細胞(食道,胃,大腸,膵,胆管,胆囊,皮膚,気管支,肺胞,甲状腺,尿管)に存在することが示されており,癌胎児性抗原として命名された当初の意義は大きく後退した.近年,構造の類似した関連抗原とともにCEA familyとして区分され,転移促進に関与する因子としての機能が注目されている3,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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