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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

腫瘍マーカー 泌尿器系

PSA(γ-Sm)

著者: 鈴木和浩1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.539 - P.541

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 PSAとは前立腺特異抗原(prostate-specific antigen)の略であり,前立腺癌の腫瘍マーカーとして広く使用されている.γ-SMはγ-セミノプロテインの略である.PSAは前立腺上皮細胞から分泌される糖蛋白であり,血中ではアンチキモトリプシンなどの蛋白と結合しているものと,遊離しているタイプに分けられる.γ-SMは遊離型のPSAに相当していることが判明したが,現在は遊離型PSAが測定可能であり,実際にはほとんど測定されていない.

 PSAは正常の男性でも血中で測定可能であるが,後述する前立腺癌患者では,癌組織周囲の微小血管の基底膜の崩壊や,細胞外器質の液状化が生じ,PSAが血中により多く流入するという報告が最近なされている.また,前立腺肥大症や急性前立腺炎などの良性疾患でも遊離型PSA優位なPSA上昇を認める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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