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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

HLA検査と染色体検査

遺伝病のDNA診断

著者: 前川真人1

所属機関: 1浜松医科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.587 - P.589

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 遺伝病は多くの場合,DNAの異常による単一あるいは複数の遺伝子の機能が消失・低下,亢進することによって発症すると考えられる.どの遺伝子が障害を受け,どのような遺伝子異常が存在するのかを調べることによって,疾患の診断,治療方針,予後推定に有用な情報を与える場合にDNA診断を行う.遺伝病は種類の多さの割にそれぞれの症例数は少ないため,個々の検査室では対応しづらく,ほとんどが研究を兼ねての検査となる.しかし,なかには検査センターで受託されている項目もあり,それらを検査法とともに表1に示した.

 1. 目的別のDNA診断

 1) 疾患の診断,治療法選択のための病型診断

 発症している患者が,臨床的にほぼ疾患名が絞られており,その病型を診断したい場合,表現型が同じでも原因遺伝子がいくつか考えられ,蛋白レベルで解析が困難な場合にDNA診断を行う.また,遺伝子変異の種類・タイプによって治療法・予後が異なる場合も,治療法の選定・予後判定の目的で遺伝子診断が必要となる.例えば,多発性内分泌腫瘍(multiple endocrine neoplasia:MEN)2型はさらに細分類されるが,遺伝子変異の部位と臨床病型に関連性があるため,DNA診断が病型診断にもつながる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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