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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻2号

2005年02月発行

文献概要

危険がいっぱい―ケーススタディ・医療事故と研修医教育 第2回

頭痛・嘔吐・視覚異常と低ナトリウム血症をきたした授乳中の女性

著者: 田中まゆみ1

所属機関: 1聖路加国際病院内科

ページ範囲:P.314 - P.319

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クリス(症例提示役) 本日の症例は34歳の白人女性です.人工授精で11週間前に出産,現在授乳中の方が,4時間持続する頭痛・嘔吐と視覚異常にて来院されました.

 現病歴ですが,産後特に問題なく過ごされていましたが,受診日の夕食後突然激しい頭痛が始まりました.場所は前頭部,拍動性で,痛みの強さは10段階で8,アセトアミノフェンにても改善しませんでしたが,暗い部屋に行くと痛みは軽減しました.同時に左目の視野に光が波うつようなものが現れてよく見えない状態が3時間持続しました.軽い嘔気もあり2回嘔吐しましたが,内容は食物残さのみで血液は混じっていませんでした.立ちくらみもあり,5分間ほどでしたが,両手のしびれる感じもありました.発熱・悪寒・意識消失・筋力低下・発語障害はなし.先週尿路感染症に罹り抗生物質3日間服用で完治.ERでのバイタルサインは体温36℃,脈拍73,呼吸数20,血圧137/96,酸素飽和度は100%と全く正常だったのですが,Na121と低ナトリウム血症があったため入院となりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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