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文献概要
今月の主題 胆膵疾患はこう診る―緊急処置からフォローアップまで 疫学
良性胆道疾患の疫学
著者: 佐々木秀雄1 杉山政則1 跡見裕1
所属機関: 1杏林大学外科 (消化器・一般外科)
ページ範囲:P.1316 - P.1319
文献購入ページに移動胆石症は最も一般的な胆道系疾患であり,現在わが国での胆石保有率は10~15%と推測されている.また,従来から,中年の肥満女性に多い疾患とされてきたが,男女比1:1.3~1.5とわが国の罹患率は欧米と比較して男女差は少ない.
わが国の全胆石症に占める肝内結石症の割合は,1997年の調査結果で1.7%と減少傾向にある.また従来,肝内結石の大部分はビリルビンカルシウム石であったが,1990年代以降の調査によると,コレステロール石が肝内結石の8.5~13.1%を占め相対的な増加傾向にある.
急性胆囊炎の原因の90~95%は胆囊結石で,次いで無石胆囊炎,胆囊癌である.
胆囊ポリープの95%以上は良性の胆囊コレステロールポリープで,保有率は成人の5~10%,好発年齢40~50歳代,男女差はない.
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