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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻8号

2005年08月発行

文献概要

病理との付き合い方 病理医からのメッセージ(5)

病理組織検査・細胞診のピットフォール

著者: 村田哲也1

所属機関: 1JA三重厚生連鈴鹿中央総合病院中央検査科

ページ範囲:P.1488 - P.1492

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ピットフォール(pitfall)とは「落とし穴」ということである.臨床検査領域では,ある目的をもって検査がオーダーされるが,目的外,あるいは予想外の思わぬ結果に遭遇してしまうことがある.多くの場合「期待はずれ」の結果であり,このような状況に嵌ることをpitfallと呼ぶ.pitfallに落ちた場合,主治医はもとより患者に迷惑がかかる危険性もある.pitfallの存在とその原因を理解し,pitfallに嵌ることが極力なくなるように,今回は病理検査領域におけるpitfallについて説明する.

ピットフォールはなぜ起きるのか

 誰しも落とし穴に嵌りたがるわけではなく,予測した結果が出ることを求めて検査をオーダーするのであるが,それにもかかわらず,結果的に落とし穴に嵌ってしまうことがある.pitfallが起きる原因はさまざまである.検体採取から結果報告,結果の解釈に至るまでの各段階すべてでpitfallの芽があるといってよい.pitfallに嵌らないように各段階での手順を理解し,正確な手技を行うことは,医療の安全性(安全管理,セーフティ・マネジメント)の視点からも重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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