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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻9号

2005年09月発行

文献概要

病理との付き合い方 病理医からのメッセージ(6)

病理解剖

著者: 新井冨生1

所属機関: 1東京都老人医療センター臨床病理科

ページ範囲:P.1682 - P.1686

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病院における病理医の仕事の一つに病理解剖がある.病理解剖は亡くなられた方を対象とし,全身を検索対象とする点で,生検,手術標本,細胞診と異なる.また,医療の高度化に伴い最近臨床医も専門化,細分化が著しく,全身をみる病理解剖は意義深いと考えられる.病理解剖の主な目的は死因の特定,病態の解明,治療効果の判定などであり,医療における精度管理の役割もある.本稿では,まず病理解剖の法的事項に触れた後,病理医からのメッセージ(表1)を時間的流れに沿って紹介する.

病理解剖に関する法的事項

 1. 死体解剖保存法

 病理解剖の実施は法律に基づいて行わなければならない.本来,遺体を傷つけることは刑法190条死体損壊罪にあたる犯罪行為であるが,法律で規定された範囲内では遵法行為となる.死体解剖は1949(昭和24)年に制定された「死体解剖保存法」により実施されている.この法律には,解剖の目的,実施の手続き,解剖の執刀者,解剖実施場所などが規定されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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