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特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
消化器疾患
文献概要
抗生物質関連性腸炎は,急性出血性大腸炎と偽膜性腸炎に大別される.高齢者に多い疾患とされ,診断が遅れると死に至ることもあり注意を要する.直腸中心の内視鏡検査で迅速に診断が可能である.また,ほとんどの症例で前処置は不要である.原因となった抗菌薬の中止や,メトロニダゾ-ル,バンコマイシンなどの内服で多くは治癒する.止痢薬,抗コリン薬などの腸管蠕動抑制薬は,中毒性巨大結腸症を誘発することもあり控える.
参考文献
1) 勝木伸一・他:抗生物質と腸炎.臨消内科 19:1163-1168, 2004
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4) 飯田三雄:薬剤性腸炎―最近の話題.胃と腸 35:1115-1124, 2000
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