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文献詳細

雑誌文献

medicina43巻12号

2006年11月発行

文献概要

特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか 代謝・栄養障害

高脂血症

著者: 横山信治1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部代謝細胞生化学分野

ページ範囲:P.389 - P.391

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 高LDL血症,高トリグリセリド血症,低HDL血症は,いずれも血漿脂質リポ蛋白代謝の面からみた動脈硬化症の危険因子である.これらの是正は動脈硬化症に由来する心筋梗塞や脳梗塞の予防のために行うものであり,多くは食習慣や運動など生活習慣に起因する場合が多く,その是正によるこれらの因子の改善は健康管理の重要な一環であると位置づけられる.適切な薬剤の使用も選択肢となる.これら脂質代謝面の危険因子の是正による動脈硬化性疾患の予防については,大規模臨床試験などによる明白な証拠に基づいて期待できるものと,仮説的な段階にとどまるものがあり,これらについて具体的な説明が必要である.また,その予防効果の定量性についてもある程度の説明が必要である.注意を要するのは,危険因子の集積によるリスクの上昇であり,とりわけ心筋梗塞や脳梗塞の二次予防(一度発症した後の2度目以降の発作の予防)については,より厳重な脂質危険因子の管理が推奨される.見逃してならないのは,明白な遺伝子の異常に基づく疾患群であり,なかでもLDL受容体の機能欠損による家族性高コレステロール血症(FH)はわが国でも一般人口500人に1人のヘテロ型が存在すると考えられ,この患者群では高LDL血症の是正は絶対適応であり,早期から薬物治療を選択する必要性が高い.

参考文献

1) 日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患診療ガイドライン,エムディエス株式会社制作,2002
2) MEGA Study Results, Lancet (in press).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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