文献詳細
文献概要
特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか 内分泌疾患
亜急性甲状腺炎・急性化膿性甲状腺炎
著者: 石原隆1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院糖尿病内分泌内科
ページ範囲:P.412 - P.414
文献購入ページに移動 亜急性甲状腺炎は甲状腺部に痛みを伴う代表的疾患である.一過性の破壊性甲状腺中毒症を呈するため,疼痛の軽い例ではBasedow病などとの鑑別が大切である.有痛性の結節を触知し,エコーでは同部に一致して低エコー域を認める.破壊性甲状腺中毒症の特徴は甲状腺摂取率低値である.未治療で改善する例からステロイド治療を要する例まで個人差が激しい.必ず治癒する疾患である.急性化膿性甲状腺炎は下咽頭梨状窩瘻を介する甲状腺周囲の細菌感染であり,抗生物質と切開排膿を要する.治癒後瘻孔を証明し,摘出する.
参考文献
1) 石原 隆:橋本病急性増悪,新領域別症候群シリーズ内分泌症候群(第2版)Ⅰ,pp438-440,日本臨牀社,2006
2) 阿部好文,吉村 弘:亜急性甲状腺炎,井村裕夫(編):最新内科学大系13,甲状腺疾患,pp225-232,中山書店,1993
3) 深田修司:急性化膿性甲状腺炎,甲状腺疾患の診断と治療,pp276-281,ベクトルコア,2003
掲載誌情報