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文献詳細

雑誌文献

medicina43巻12号

2006年11月発行

文献概要

特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか アレルギー疾患

アナフィラキシーショック

著者: 平田博国1 林ゆめ子1 福田健1

所属機関: 1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科

ページ範囲:P.440 - P.444

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 アナフィラキシーとは,ある原因物質により引き起こされる急性で全身に及ぶ即時型アレルギー(様)反応のことである.そのなかで,著明な血圧低下により意識障害を伴うものをアナフィラキシーショックといい,死に至る可能性が高い.アナフィラキシーを引き起こす原因物質として多いものに薬物,食物やハチ毒がある.薬物では,抗生物質・抗菌薬,非ステロイド性消炎鎮痛解熱薬(NSAID),抗腫瘍薬,造影剤,アレルギー性疾患治療用アレルゲン,最近ではリウマチ治療目的の生物製剤が報告されている.食物では牛乳,卵,大豆,ピーナッツなどが挙げられる.これらのアナフィラキシー反応の対策として予防が重要であり,薬物や食物アレルギーでは原因薬剤およびアレルゲンを問診や諸検査によって特定し,疑わしい場合も含め回避することが重要である.さらにハチアレルギーまたはハチ毒過敏症と診断された人や,重篤な食物,薬物アレルギー既往患者は,エピネフリン自己注射キットを携帯し,アナフィラキシー反応の兆候が現れた時点で使用すべきである.

参考文献

1) The Diagnosis and Management of Anaphylaxis:An updated practice parameter. J Allergy Clin Immunol 115:s483-523, 2005
2) Barnard JH:Nonfatal results in third-degree anaphylaxis from hymenoptera stings. J Allergy 45:92-96, 1970
3) 平田博国・他:ハチアレルギー患者における急速減感作療法(Rush Immunotherapy;RIT)の臨床的効果.アレルギー 48:1331-1336, 1999
4) 藤野寿幸・他:ヒトインスリンアレルギーの1例.尾道市立市民病院医学雑誌 17:21-24, 2001
5) Stark BJ, et al:Acute and chronic desensitization of penicillin-allergic patients using oral penicillin. J Allergy Clin Immunol 79:523-532, 1987
6) Gavalas M, Sadana A, Metcalf S:Medical treatment of anaphylaxis. J Accid Emerg Med 17:152;author reply 152-153, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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