medicina43巻4号

2006年04月発行

今月の主題 抗菌薬を使いこなそう！―実地臨床での正しい選択と投与法

慣れ親しむべき検査/手技

薬物血中濃度モニタリング

著者： 森田邦彦¹

所属機関： ¹同志社女子大学薬学部臨床薬剤学

ページ範囲：P.562 - P.564

文献概要

ポイント

・抗菌薬の血中濃度モニタリングは，毒性回避もさることながら抗菌力を高めることを第一義的な目的として実施すべきである．

・アミノグリコシド系抗菌薬の有効性はピーク血中濃度をできるだけ高めることにより，また安全性はトラフ血中濃度をできるだけ下げることにより確保される．

・バンコマイシンのトラフ血中濃度は15μg/ml付近もしくはそれ以上に高めることで有効性が期待できる．

参考文献

１) Prins JM, et al：Once versus thrice daily gentamicin in patients with serious infections. Lancet 341：335-339, 1993

２) Nicolau DP, et al：Experience with a once-daily aminoglycoside program administered to 2,184 adult patients. Antimicrob Agents Chemother 39：650-655, 1995

３) Moise-Broder PA, et al：Pharmacodynamics of vancomycin and other antimicrobaials in patients with Staphylococcus aureus lower respiratory tract infections. Clin Pharmacokinet 243：925-942, 2004