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今月の主題 抗菌薬を使いこなそう!―実地臨床での正しい選択と投与法 各種感染症―抗菌薬選択の根拠と投与法
肝胆道系感染症
著者: 小林健二1
所属機関: 1東海大学医学部内科学系総合内科
ページ範囲:P.636 - P.639
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・細菌性肝膿瘍の原因として多いものは胆道系感染で,腹腔内の感染が門脈を介して広がるものがこれに次ぐ.前者の場合,グラム陰性桿菌,腸球菌が起炎菌のことが多く,後者の場合,グラム陰性桿菌と嫌気性菌が原因となる.
・胆管炎は迅速に治療されないと死に至る重篤な疾患であり,胆管のドレナージ減圧術を行うことが最も重要である.抗菌薬の使用はドレナージを補完するものと考えるべきである.原因菌として頻度の高いものは,大腸菌,腸球菌,クレブシエラなどであるが,胆道系術後の症例では嫌気性菌もカバーする必要がある.
・細菌性肝膿瘍の原因として多いものは胆道系感染で,腹腔内の感染が門脈を介して広がるものがこれに次ぐ.前者の場合,グラム陰性桿菌,腸球菌が起炎菌のことが多く,後者の場合,グラム陰性桿菌と嫌気性菌が原因となる.
・胆管炎は迅速に治療されないと死に至る重篤な疾患であり,胆管のドレナージ減圧術を行うことが最も重要である.抗菌薬の使用はドレナージを補完するものと考えるべきである.原因菌として頻度の高いものは,大腸菌,腸球菌,クレブシエラなどであるが,胆道系術後の症例では嫌気性菌もカバーする必要がある.
参考文献
1) Sabbaj J, Sutter VL, Finegold SM:Anaerobic pyogenic liver abscess. Ann Intern Med 77:627-638, 1972
2) Yusoff IF, Barkun JS, Barkun AN:Diagnosis and management of cholecystitis and cholangitis. Gastroenterology Clin N Am 32:1145-1168, 2003
3) Kune GA, Burdon JG:Are antibiotics necessary in acute cholecystitis? Med J Aust 2:627-630, 1975
4) Papi C, et al:Timing of cholecystectomy for acute calculous cholecystitis:a meta-analysis. Am J Gastroenterology 99:147-155, 2004
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