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文献詳細

雑誌文献

medicina43巻6号

2006年06月発行

今月の主題 ベッドサイドの免疫学-免疫疾患に強くなるために

免疫系のしくみとネットワーク-免疫疾患を理解するためのミニマル・エッセンス

自然免疫と獲得免疫のインターフェーズで機能するT細胞群

著者: 杉田昌彦1

所属機関: 1京都大学ウイルス研究所・細胞制御研究分野

ページ範囲:P.887 - P.889

文献概要

ポイント

抗原非特異的な生体応答を基盤とした自然免疫と蛋白抗原特異的な生体応答を主体とした獲得免疫は,双方のクロストークにより,効果的,相乗的な宿主防御を可能にしている.

従来,T細胞は獲得免疫のみを担うと考えられてきたが,自然免疫と獲得免疫のインターフェーズで機能する新しいT細胞群の存在とその意義が明らかとなってきた.

これらのT細胞は,自己あるいは微生物由来の非蛋白抗原を特異的に認識して活性化され,自然免疫と獲得免疫のクロストークを担うとともに,その一部は癌細胞や微生物感染細胞を直接傷害する機能を有している.

これらのT細胞を人為的,選択的に活性化することにより,癌や感染症を制御する試みが展開されている.

参考文献

1) Tanaka Y, et al:Natural and synthetic non-peptide antigens recognized by human γδ T cells. Nature 375:155-158, 1995
2) Kawano T, et al:CD1d-restricted and TCR-mediated activation of Va14 NKT cells by glycosylceramides. Science 278:1626-1629, 1997
3) Dascher CC, et al:Immunization with a mycobacterial lipid vaccine improves pulmonary pathology in the guinea pig model of tuberculosis. Int Immunol 15:915-925, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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