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患者中心の医療を実現するために―倫理的問題への実践的アプローチ
著者: 吉田雅幸1
所属機関: 1東京医科歯科大学生命倫理研究センター
ページ範囲:P.1204 - P.1206
文献購入ページに移動 近年,科学技術の社会・経済に与える影響が拡大するにつれて,社会のなかに科学技術をどう適応させるかという視点が求められている.医療の分野においても先端生命科学技術の応用については当該技術の専門家および技術を使う側の人間によって,ヒトに適応する妥当性が倫理的かつ科学的に検討されている.先端生命科学技術の革新的進歩はまた生命科学そのものの考え方や倫理観にも影響を与えているのである.
しかしながら,加速化する生命科学の進歩がそれをとりまく社会に及ぼす倫理的問題についての取り組みは十分とはいえない.いわんや,一般臨床の現場において倫理という視点が注目される局面は驚くほど少ない.しかし倫理という視点は先端生命科学分野においてのみ重要なものではなく,むしろ日常臨床の治療方針に生かされて社会的な意味をもつものである.したがって,昨今キーワードとなっている『患者中心の医療の実践』を目指すためにも,倫理的問題についてのアプローチは臨床現場での対応に変換・適応されなくてはならない.昨年,東京医科歯科大学に設置された生命倫理研究センターでは,倫理的問題へのアプローチについてその具体的方策を検討することになっている.
しかしながら,加速化する生命科学の進歩がそれをとりまく社会に及ぼす倫理的問題についての取り組みは十分とはいえない.いわんや,一般臨床の現場において倫理という視点が注目される局面は驚くほど少ない.しかし倫理という視点は先端生命科学分野においてのみ重要なものではなく,むしろ日常臨床の治療方針に生かされて社会的な意味をもつものである.したがって,昨今キーワードとなっている『患者中心の医療の実践』を目指すためにも,倫理的問題についてのアプローチは臨床現場での対応に変換・適応されなくてはならない.昨年,東京医科歯科大学に設置された生命倫理研究センターでは,倫理的問題へのアプローチについてその具体的方策を検討することになっている.
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