文献詳細
文献概要
病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】 6
肝臓,胆道系,膵臓
著者: 西川祐司1
所属機関: 1秋田大学医学部病理病態医学講座分子病態学分野
ページ範囲:P.1215 - P.1219
文献購入ページに移動まず,どのような肝・胆・膵疾患が日常の病理診断の対象になるのかを概観してみよう.
1. 肝臓
針生検の対象となる代表疾患はB型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎である.自己免疫性肝炎,アルコール性肝炎,非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic steatohepatitis:NASH),肝硬変,原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC),原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)などに対しても針生検が行われる.また,肝アミロイドーシスやリソソーム病などの蓄積症の診断にも有用である.さらに,肝移植後の拒絶反応の評価には生検は欠かせない.肝腫瘍,特に肝癌は,画像診断で確診できない場合に,病変からの生検が行われる.転移性肝癌は肝部分切除検体として提出されることが多い.
参考文献
掲載誌情報