medicina43巻8号

2006年08月発行

今月の主題 消化器内視鏡治療の現在 食道疾患

食道表在癌に対する内視鏡的粘膜切除術

著者： 島田英雄¹ 幕内博康¹ 千野修¹

所属機関： ¹東海大学医学部消化器外科

ページ範囲：P.1271 - P.1273

ポイント

絶対適応例はm2(癌浸潤が粘膜固有層まで)までの病巣である．

リンパ節転移の可能性がある症例は適応とならない．

深達度が適応範囲であれば5cm以上の病巣や全周切除も行われている．

m3，sm1症例ではEMR後の病理組織評価で追加切除の検討が必要である．

適応拡大例における経過観察には，内視鏡検査に加えて，CTやEUSが必要である．

参考文献

１) Makuuchi H：Endoscopic mucosal resection for early esophageal cancer―indication and techniques. Dig Endosc 8：175-179, 1996

２) 幕内博康，島田英雄，千野　修・他：食道sm3・sm1癌の治療成績―EMRと手術の長期予後．胃と腸 37：53-63，2002

３) 島田英雄，幕内博康：早期食道癌EMRの最前線．消化器病セミナー 99：47-61，2005