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文献詳細

雑誌文献

medicina43巻8号

2006年08月発行

文献概要

できる医師のプレゼンテーション―臨床能力を倍増するために 5

プレゼンテーションのフォーマット(各論2)―身体所見・検査所見

著者: 川島篤志1

所属機関: 1市立堺病院・総合内科

ページ範囲:P.1406 - P.1410

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例 (消化管出血で入院した時のプレゼンテーションで)

 研修医:血圧は114/62で,脈拍90の整でした.

 指導医:あ,体位による変化はあった? 前回,教えたと思うけど…….

 研修医:そ,そうですよね.体位による変化はあったような気がします.

 指導医:座らせたのかな? それとも立たせたのかな? 脈が早くなったの? 血圧も落ちたの?

 研修医:えーっと……どっちだったかな.脈拍は……. 

 指導医:(自分でやったなら忘れるはずもないだろうに)……まあ,次にいこうか.

 研修医:はい.心臓と肺には所見なく,腹部は…….

 指導医:貧血があるので,駆出性収縮期雑音はなかったかな?

 研修医:えーっと,あの……その.あったかな…….

 指導医:(こいつ,聴いてないな)…じゃぁ,検査所見にいこうか.

 研修医:Hb/Hctは7.0/21.4で,(MCVは述べず)……BUN/Creは22.3の0.69,だったかな.あ,0.79でした.BUNは23.2でした.すみません.

 指導医:(どっちでもいいけど… MCVはいくつなのかな?)

 (※ 指導医は,本当はあまりプレゼンテーションを中断しないほうがいいのですが,今回の例ではポイントがわかるように中断をしています)

身体所見

 前回お話ししましたが,準備しておくことがきわめて大切です.後述する検査所見は誰かがオーダーしているかもしれませんし,客観的なデータとして残りますが,身体所見は自分自身が取っていないと,しゃべろうにもしゃべれません.

 病院/施設ごとに身体所見のフォーマットがあると,初期/後期研修(+スタッフ)の期間を通じて,共通の認識で所見を取ることが可能になるかもしれません.あまりフォーマットにこだわり過ぎるのも良くないかもしれませんが,身体所見における「必要最低限」が指導医も研修医も理解できていない状況であれば,存在価値は大きいと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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