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文献詳細

雑誌文献

medicina43巻8号

2006年08月発行

しりあす・とーく 第17回

他科ローテーションで何を学ぶか?―検証!新医師臨床研修制度(後編)

著者: 前野哲博1 鳥居秀成2 下山祐人3 石丸裕康4

所属機関: 1筑波大学附属病院・総合臨床教育センター 2慶應大学病院・眼科 3東京女子医科大学・循環器内科 4天理よろづ相談所病院 総合診療教育部

ページ範囲:P.1416 - P.1424

文献概要

 「しりあす・とーく」では,初の修了者が誕生した「新医師臨床研修制度」を3回にわたって検証してきたが,最終回となる今回は,必修ローテーションとして位置づけられた他科ローテーション,特に小児科,産婦人科,精神科,地域・保健医療をとりあげてみた.これらのローテーションの実際とその意義,今後のあり方などについて,研修医・指導医それぞれの立場から議論していただいた.

(前号よりつづく)

小児科,産婦人科,精神科ローテーション

 前野 新医師臨床研修制度では,小児科,産婦人科,精神科,そして,地域・保健医療が必修科目としてローテーションのなかに位置づけられました.そこで何をどう学んだか,また,その研修の中身はどうあるべきかということについてうかがいたいと思います.まず,小児科,産婦人科,精神科についていかがでしょうか?

 鳥居 まず産婦人科・精神科についてですが,選択科としてはとてもいい研修になるものの,必修科としての意義に疑問を感じていた人が大半を占めていたように思います.それはその2つの科,特に産婦人科は中でも専門性が特化された部分がかなり強いためであり,正常分娩ひとつとってもしっかりとした対処ができるようになるのは1カ月ではかなり厳しいと思いました.若い女性の腹痛のプライマリケアということに関していえばとても重要なことだと思いましたが,総じて回ったことで自分でできるようになることというのは,他の科と比べて少ないのではないかと思います.また,指導医側からしても1カ月間という短い期間のなかでこの専門性の高い分野での指導はとても大変ではないかと思います.この点でいえば,産婦人科を選択科の一つとしてしまい,自分の学びたい選択科の期間を長めに設定するのもいいのではないかと思いました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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