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連載 東大病院内科研修医セミナー・18
多発性骨髄腫に対する自家移植併用大量メルファラン療法
著者: 荒井俊也1 伊豆津宏二1 黒川峰夫1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科
ページ範囲:P.200 - P.203
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・多発性骨髄腫治療の目標とは?
CASE
【症例】65歳,男性.
【現病歴】入院2年前頃から易疲労感が出現.症状が増悪してきたため入院3カ月前に前医受診.WBC 4,400/μl,Hb 6.8g/dl,Plt 18.7万/μlと貧血を認めた.TP 11.0g/dl,IgG 6,285mg/dl(IgA 11mg/dl,IgM 12mg/dl)であり,血清免疫電気泳動検査上IgG-κ M蛋白陽性であった.骨髄穿刺で形質細胞が17%を占め(図1),多発性骨髄腫(Durie-Salmon StageⅢA)と診断.自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の適応として当科紹介受診.
【既往歴】胃潰瘍,H.pylori除菌後,高血圧.
【生活歴,家族歴など】特記すべきことなし.
【入院時身体所見】血圧 130/108,脈拍 80/分・整,体温36.0℃.眼瞼結膜軽度貧血,胸腹部正常(肝脾触知せず),リンパ節触知せず, 皮膚異常所見なし.
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