icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina44巻11号

2007年11月発行

文献概要

連載 聖路加Common Diseaseカンファレンス・8

あなたは関節痛を的確に診断できますか?

著者: 西崎祐史1 岡田正人1

所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー・膠原病内科

ページ範囲:P.2151 - P.2157

文献購入ページに移動
関節痛  まずはここを押さえよう
①関節痛をみたら炎症性か,非炎症性かを区別する

 ・非炎症性:変形性関節症,整形外科的腰痛など⇒運動で悪化する,朝のこわばりがない

 ・炎症性:関節リウマチ,脊椎炎など⇒運動で改善する,朝のこわばりがある
②関節炎患者をみたら,以下の4つのカテゴリーに分類

 →急性多関節炎,慢性多関節炎,急性単関節炎,慢性単関節炎

 急性多関節炎の鑑別:以下の3つに分けて考えると,見逃しを防ぐことができる.

  ・細菌性:感染性心内膜炎,淋菌性関節炎など

  ・ウイルス性:ヒトパルボB19ウイルス感染,肝炎ウイルス感染,急性HIV感染,風疹など

  ・慢性多関節炎の初期:関節リウマチ,SLE(全身性エリテマトーデス),血管炎,成人Still病などの膠原病の初期像

 急性単関節炎:臨床でよく遭遇するのは,結晶誘発性関節炎(痛風など)であるが,感染症と外傷の除外が必要である.

参考文献

1)Young NS, et al:Parvovirus B19. N Engl J Med 350:586-597, 2004
2)岡田正人:プライマリーケア外来における急性・慢性関節炎・関節痛の診断の進め方,medicina 37:1466-1471,2000
3)岡田正人:関節液,黒川 清,春日雅人,北村 聖(編):臨床検査データブック 2007-2008,pp651-653,医学書院,2007
4)岡田正人:DMARDsの早期開始,JIM 17:672-674,2007
5)Chakravarty EF:Associations between rheumatoid arthritis and malignancy. Rheum Dis Clin North Am 30:271-284, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?