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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 一般医のためのエコー活用法 Ⅲ.心臓 心エコーの適応(と他のモダリティ)

胸部X線でみつかった心拡大

著者: 原田昌彦1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院 臨床生理機能検査部

ページ範囲:P.72 - P.77

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胸部X線の心拡大からどのような病態・疾患を考えるか

 一般に胸部X線の心拡大とは,心陰影の拡大を意味する.胸部X線正面像において,心陰影の右縁(右第Ⅱ弓)は右房,左縁(左第Ⅳ弓)は左室の辺縁より構成される(図1).したがって,右房あるいは左室の拡大は心陰影の拡大をきたすが,右室や左房が著しく拡大した場合も心陰影は拡大することとなる(図2).さらに,心膜腔に液体が貯留した場合などでも心陰影は拡大する.このように,心拡大は,①いずれか1つあるいは2つ以上の心腔拡大,②心膜腔に一定以上の液体が貯留した状態,③心臓以外の病態,を意味する.

 心拡大の評価法としては,心胸郭比(cardiothoracic ratio:CTR)が一般的に用いられており,成人では50%以下が正常である.しかし,乳幼児や肥満者,臥位で撮影したポータブルX線写真の場合は50%以上でも必ずしも異常とはいえず,理学所見などを参考に総合的に評価する.一方,CTRが60%以上であれば,間違いなく何らかの異常があると考えて差し支えない.いずれにしても,胸部X線で心拡大を認めるか,あるいはその疑いがあれば心エコー検査の適応となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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