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特集 一般医のためのエコー活用法 Ⅲ.心臓 特殊な心エコー
負荷心エコー
著者: 大野忠明1 本間博1
所属機関: 1日本医科大学付属病院循環器内科
ページ範囲:P.240 - P.243
文献購入ページに移動 負荷心エコーは1970年代頃から基礎研究,臨床試験ともに多数の報告がなされてきた.負荷心エコーの原理は,一般的に虚血カスケードに従う.心筋虚血は心筋灌流の減少,心筋代謝の低下,壁運動異常,心電図変化,自覚症状の順にとらえることができるが,負荷心エコーはこの中間の壁運動異常を判定する方法である.正常の冠動脈であれば,負荷量の増加に伴い,冠動脈血流,心拍数,心筋収縮力が増大する.有意な狭窄があれば,冠動脈血流は増加せず,結果として酸素供給が需要に見合わず虚血が起こる.負荷時の局所壁運動異常の出現は虚血に特異的といわれている.負荷心エコーに興味がある医師のなかには,自分で検査ができるようになりたい,あるいは専門医に検査を依頼したいが,どのような症例を紹介したらよいのか知りたいなど,いろいろな立場の方がおられると思う.①負荷法そのものを理解すること,②患者によってどの負荷法を選択したらよいかを判断できること,③結果を評価できることを明確にし,負荷心エコーを活用していただきたい.日本循環器学会のガイドラインを表11)に示す.
参考文献
1) 2003~2004年度合同研究班:循環器病の診断と治療に関するガイドライン,循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン.Circ J 69:Suppl IV,2005
2) Marwick TH:Stress Echocardiography, 2nd ed. Kluwer Academic Publishers, Boston, 2003
3) Feigenbaum H, Armstrong WF, Ryan T:Echodardiography, 6th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2005
4) Armstrong WF, Zoghibi WA:Stress Echocardiography;Current methodology and clinical applications. J Am Coll Cardiol 45:1739-1747, 2005
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