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特集 一般医のためのエコー活用法 Ⅵ.末梢血管
下肢動脈
著者: 井上芳徳1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科外科・血管外科
ページ範囲:P.436 - P.439
文献購入ページに移動解剖と検査法
解剖としては,腸骨動脈から総大腿動脈,浅大腿動脈,大腿深動脈,さらに膝窩動脈から下腿3分枝(後脛骨動脈,前脛骨動脈,腓骨動脈)の走行を理解する(図1).
検査手順としては,カラーモードにて縦断像で腸骨動脈領域を走査し,さらに総大腿動脈,大腿深動脈起始部へと移行する(図2).腸骨動脈領域は,肥満や腸管ガスの多い場合には描出が困難な場合があり,その際は総大腿動脈でのドプラ波形を記録し,収縮期最大流速(peak systolic velocity:PSV)を測定し,病変の有無を判定する.浅大腿動脈から膝窩動脈を走査した後,膝窩動脈でもドプラ波形を記録し,PSVを測定する.途中に狭窄性病変があれば,その部位でドプラ波形を記録し,PSVを測定する.
下腿3分枝は起始部から足関節レベルまで走査する(図3,4)が,すべてを走査すると時間を要することと,くまなく画像化することは難しいので,実際には下腿動脈領域へのバイパス術の適応を判定する場合に限定して施行することが多い.
解剖としては,腸骨動脈から総大腿動脈,浅大腿動脈,大腿深動脈,さらに膝窩動脈から下腿3分枝(後脛骨動脈,前脛骨動脈,腓骨動脈)の走行を理解する(図1).
検査手順としては,カラーモードにて縦断像で腸骨動脈領域を走査し,さらに総大腿動脈,大腿深動脈起始部へと移行する(図2).腸骨動脈領域は,肥満や腸管ガスの多い場合には描出が困難な場合があり,その際は総大腿動脈でのドプラ波形を記録し,収縮期最大流速(peak systolic velocity:PSV)を測定し,病変の有無を判定する.浅大腿動脈から膝窩動脈を走査した後,膝窩動脈でもドプラ波形を記録し,PSVを測定する.途中に狭窄性病変があれば,その部位でドプラ波形を記録し,PSVを測定する.
下腿3分枝は起始部から足関節レベルまで走査する(図3,4)が,すべてを走査すると時間を要することと,くまなく画像化することは難しいので,実際には下腿動脈領域へのバイパス術の適応を判定する場合に限定して施行することが多い.
参考文献
1) 緑川博文:超音波―末梢動脈.血管無侵襲診断法研究会将来構想委員会(編):循環器医・検査技師のための血管無侵襲診断の実際,pp66-71,文光堂,2001
2) 小谷敦志:血管超音波検査のテクニック―末梢動脈.血管診察技師認定機構・血管無侵襲診断法研究会(編):血管無侵襲診断テキスト―血管診療技師認定試験例題付,pp124-134,南江堂,2007
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