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今月の主題 内科外来でみるウィメンズ・ヘルス 主治医として知っておきたいこと【知っておくと役立つこと】
Topic6 尿検査潜血反応陽性結果の解釈
著者: 岩瀬貴衣1 吉田博1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院中央検査部
ページ範囲:P.2294 - P.2296
文献購入ページに移動尿潜血反応陽性例や顕微鏡的血尿の頻度は加齢とともに増加し,女性に多く,日本では約500万人が血尿であると試算されている.特に高齢女性では,検診時の尿潜血反応陽性頻度は高い.尿潜血反応は,内科的腎臓疾患を含め種々の疾患の診断の契機になる簡便な検査であり,健康の維持,疾病の早期発見と医療経済効率を考えて,顕微鏡的血尿の診療が行われるべきである.
2005年末までに,国内で市販されているすべての尿潜血反応試験紙において,ヘモグロビン濃度0.06mg/dl,尿中赤血球20個/μl〔400倍強拡大1視野(high power field:HPF)で5個〕で1(+)と判定されるように統一された.ただし,尿潜血反応試験紙には過酸化物と還元型色素体が含まれていることから,尿潜血反応には偽陽性や偽陰性があり,試験紙法と尿沈渣赤血球数測定の結果が一致しないこともある(表1).原則として,適切な検体となるのは新鮮な中間尿であり,蓄尿検体や女性の月経時の検体は不適切である.
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