文献詳細
今月の主題 症例からみる肺疾患のCT画像
肺疾患をCTで診る―肺腫瘍
文献概要
ポイント
(硬化性血管腫)
●中高年の女性に発生しやすく(男性の4~5倍),胸膜に近接する辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向は少ない.
●CT上,内部は均一である.造影効果があり,その像は均一である.空洞形成はほとんどみられない.石灰化は稀にみられる.
●肺血管との関係はほとんどない.
(過誤腫)
●中高年の男性に発生しやすく(女性の2~3倍),普通は肺末梢に辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向がある.
●CT上,石灰化が特徴と言われているが,実際には10%程度しか認められない.ポップコーン状の石灰化も稀である.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
●肺良性腫瘍では最も頻度が高く,その50%以上にのぼる.
(炎症性偽腫瘍)
●比較的若年層に発生し,性差はない.肺野の孤立性の腫瘤影を呈する.分葉傾向,スピキュラが認められることがあり,この場合は原発性肺癌との鑑別診断が必要となる.
●石灰化は時々認められる.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
(硬化性血管腫)
●中高年の女性に発生しやすく(男性の4~5倍),胸膜に近接する辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向は少ない.
●CT上,内部は均一である.造影効果があり,その像は均一である.空洞形成はほとんどみられない.石灰化は稀にみられる.
●肺血管との関係はほとんどない.
(過誤腫)
●中高年の男性に発生しやすく(女性の2~3倍),普通は肺末梢に辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向がある.
●CT上,石灰化が特徴と言われているが,実際には10%程度しか認められない.ポップコーン状の石灰化も稀である.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
●肺良性腫瘍では最も頻度が高く,その50%以上にのぼる.
(炎症性偽腫瘍)
●比較的若年層に発生し,性差はない.肺野の孤立性の腫瘤影を呈する.分葉傾向,スピキュラが認められることがあり,この場合は原発性肺癌との鑑別診断が必要となる.
●石灰化は時々認められる.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
参考文献
1)Liebow AA, Hubbell DF:Sclerosing hemangioma (histiocytoma, xanthoma) of the lung. Cancer 9:53-75, 1956
2)Chan K-W, Gibbs AR, Lo WS:Benign sclerosing pneumocytoma of lung (sclerosing haemangioma). Thorax 37:404-412, 1982
3)Ribet M, Jaillard-Thery S, Nuttens MC:Pulmonary hamartoma and malignancy. J Thorac Cardiovasc Surg 107:611-614, 1994
4)Bahadori M, Liebow AA:Plasma cell granulomas of the lung. Cancer 31:191-208, 1973
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