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文献概要
今月の主題 症例からみる肺疾患のCT画像 肺疾患をCTで診る―肺腫瘍
肺良性腫瘍
著者: 横見瀬裕保1
所属機関: 1香川大学医学部呼吸器・乳腺内分泌外科
ページ範囲:P.266 - P.268
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●中高年の女性に発生しやすく(男性の4~5倍),胸膜に近接する辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向は少ない.
●CT上,内部は均一である.造影効果があり,その像は均一である.空洞形成はほとんどみられない.石灰化は稀にみられる.
●肺血管との関係はほとんどない.
(過誤腫)
●中高年の男性に発生しやすく(女性の2~3倍),普通は肺末梢に辺縁が鮮明な腫瘤影を呈する.分葉傾向がある.
●CT上,石灰化が特徴と言われているが,実際には10%程度しか認められない.ポップコーン状の石灰化も稀である.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
●肺良性腫瘍では最も頻度が高く,その50%以上にのぼる.
(炎症性偽腫瘍)
●比較的若年層に発生し,性差はない.肺野の孤立性の腫瘤影を呈する.分葉傾向,スピキュラが認められることがあり,この場合は原発性肺癌との鑑別診断が必要となる.
●石灰化は時々認められる.空洞形成はきわめて稀である.内部構造は不均一なことがあり,脂肪組織が混在することがある.
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