文献詳細
今月の主題 日常診療・当直のための酸塩基平衡,水・電解質,輸液
酸塩基平衡を身近にする
代謝性アルカローシスの鑑別診断と治療
著者: 平間章郎1 金子朋広1 飯野靖彦1
所属機関: 1日本医科大学附属病院内科(神経・腎臓・膠原病・アレルギー部門)
ページ範囲:P.444 - P.445
文献概要
●代謝性アルカローシスは,HCO3-が増加する病態である.
●ただし,HCO3-が増加しても通常は直ちに腎臓から排泄される.代謝性アルカローシスが持続するためには,HCO3-が増加する原因とともに,それが持続する病態が存在する必要がある.
●原因としてはH+の喪失(嘔吐や下痢など),アルカリの過剰投与で起こりうる.
●治療においては,原因と持続因子を把握することが重要である.鑑別診断を行うための一助として,循環血漿量が減少している場合(尿中Cl-<10mEq/l)と循環血漿量正常の場合(尿中Cl->20mEq/l)を判断するのがよい.
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