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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻3号

2007年03月発行

今月の主題 日常診療・当直のための酸塩基平衡,水・電解質,輸液

酸塩基平衡を身近にする

代謝性アルカローシスの鑑別診断と治療

著者: 平間章郎1 金子朋広1 飯野靖彦1

所属機関: 1日本医科大学附属病院内科(神経・腎臓・膠原病・アレルギー部門)

ページ範囲:P.444 - P.445

文献概要

ポイント

●代謝性アルカローシスは,HCO3-が増加する病態である.

●ただし,HCO3-が増加しても通常は直ちに腎臓から排泄される.代謝性アルカローシスが持続するためには,HCO3-が増加する原因とともに,それが持続する病態が存在する必要がある.

●原因としてはH+の喪失(嘔吐や下痢など),アルカリの過剰投与で起こりうる.

●治療においては,原因と持続因子を把握することが重要である.鑑別診断を行うための一助として,循環血漿量が減少している場合(尿中Cl-<10mEq/l)と循環血漿量正常の場合(尿中Cl->20mEq/l)を判断するのがよい.

参考文献

1)北岡建樹:楽しく学ぶ水・電解質の知識,南山堂,1987
2)緒方浩顕,里見明代,衣笠えり子:代謝性アルカローシスの鑑別診断.medicina 34:909-911,1997
3)木野恭子,北岡建樹:アルカローシス(代謝性,呼吸性).腎と透析 53(増刊号):332-334,2002
4)飯野靖彦:一目で分かる血液ガス,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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