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連載 内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応・3
文献概要
パニック発作は,動悸,胸痛,息苦しさといったさまざまな身体症状が突然始まり,精神的に強い不安や恐怖の感情を伴う状態である.発作は10分以内でピークに達し,患者は気が狂ったり,死ぬのではないかという恐怖感をもつ.米国の統計によれば1),一般人口の3~6%が生涯のうち一度はパニック発作を経験し,うち20%が救急外来を受診すると言われている.内科で当直をしているときに遭遇するケースも稀でない.パニック発作で問題なのは,発作が始まっても通常20~30分で終了するため,受診時には異常所見がなく適切に対処されないまま帰されてしまうことが多いことである.
参考文献
1)Katerndahl D, Realini J:Where do panic attack sufferers seek care? J Fam Prac 40:237-243, 1995
2)中尾睦宏,久保木富房:救急における心身医療 パニック発作.レジデントノート 2:21-27, 2001
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4)American Psychiatric Association:Diagnostic and statistical manual of mental disorders, text revision, American Psychiatric Press, Washington D.C., 2000
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6)中尾睦宏:パニック障害の診断.竹内龍雄(編):新しい診断と治療のABC―パニック障害,pp148-154,最新医学,2006
7)中尾睦宏:リラクセーション反応と心身の健康.からだの科学 236:30-33, 2004
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