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連載 東大病院内科研修医セミナー【最終回】
著明な肝酵素上昇・汎血球減少を認めた後,行動療法により体重増加を認めた神経性食欲不振症の1例
著者: 宮崎信行1 稲田修士1 鈴木亜紀1 八塚麻紀1 瀧本禎之1 吉内一浩1 赤林朗1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院心療内科
ページ範囲:P.604 - P.608
文献購入ページに移動・体重減少をきたした場合に,鑑別に挙げるべき疾患は何か?
・低体重に伴う検査値の異常を,どのように解釈し治療するか?
CASE
【症例】25歳,女性.
【主訴】食欲低下,筋力低下.
【現病歴】X-2年7月(23歳;60kg),大学院の試験準備を始めた頃から味覚異常を自覚.食事量が減り始め,1カ月で57kgまで体重が減少.9月からは月経も停止.12月に卒論の追い込みでさらに食事量が低下し,体重53kgまで減少した.X-1年3月には体重48kgまで減少し,全身倦怠感を自覚するようになり近医内科を数件受診したが異常を指摘されず,当院腎臓内分泌内科に紹介され,スルピリドを処方されたが自己中断.近くの心療内科クリニックを紹介されたが受診せず.その後も体重減少が続き,X年1月には体重42kgまで減少.2月から以前紹介されていたクリニックへ通院を開始し,下垂体機能低下症・うつ傾向・強迫傾向の診断で,フルボキサミンを処方されたが嘔気が強く2週間程度で中止.4月には体重36kgまで減少し,精査および体重増加を目的に4/11当院腎臓内分泌内科紹介,4/24に入院となった.
参考文献
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