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文献概要
連載 Case Study 診断に至る過程・7
稀な典型例
著者: 松村正巳1
所属機関: 1金沢大学医学部附属病院リウマチ・膠原病内科 2カリフォルニア大学サンフランシスコ校
ページ範囲:P.610 - P.615
文献購入ページに移動58歳,男性
主 訴:発熱,食欲低下,左手足のしびれ感
現病歴:3カ月前から37~37.5℃の発熱,食欲低下,黄色い鼻汁がでるようになり,耳鼻科を受診したところ,蓄膿と言われ,治療を受けていた.8日前からは,左手足にしびれ感を自覚するようになってきた.食欲がなく,3カ月で体重が70kgから60kgに減少したという.
既往歴:5年前から高血圧,3年前から気管支喘息の治療を受けている.下記処方薬を内服中であるが,経口ステロイドの投与歴はない.
家族歴:特記事項なし.
嗜 好:たばこは吸わない.1日にビール大瓶1本を飲む.
職業は事務職,最近の旅行歴はなく,ペットは飼っていない.発熱している人との接触歴もない.
内服薬:ベシル酸アムロジピン(アムロジピン®)5 mg/日,プランルカスト水和物(オノン®;ロイコトリエン拮抗薬)450 mg/日,吸入ステロイド(ベコタイド100インヘラー®)1回2吸入,3回/日
身体所見:血圧110/78 mmHg,脈拍92/分,整,体温36.8℃,呼吸数14/分.両側中鼻道に膿性鼻汁を認める.皮疹,リンパ節腫脹は認めない.胸部,腹部に異常所見なし.神経学的所見で,脳神経系は異常なし.徒手筋力テストでは,左尺側手根伸筋(C7-8),大腿屈筋(L4-5,S1-2)で4/5 と低下を認める.左手,左前腕の尺側と左下肢の外側に触覚,痛覚の鈍麻を認める.腱反射は両膝,下顎反射が陰性で,その他は+である.病的反射は認めない.
参考文献
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