medicina44巻5号

2007年05月発行

今月の主題 ウイルス肝炎 実地診療A to Z ウイルス肝炎の疫学

急性肝炎・劇症肝炎

著者： 持田智¹

所属機関： ¹埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科

ページ範囲：P.873 - P.876

ポイント

●急性肝炎重症型，劇症肝炎は急性肝炎と異なり，B型キャリア，自己免疫性，薬物性を含む．

●北海道地区では急性肝炎の成因としてE型肝炎が重要である．

●劇症肝炎は急性型の70％，亜急性型の30％がウイルス性である．

●劇症肝炎ではウイルス性の大部分はB型で，急性型は急性感染例，亜急性型はキャリア例が多い．

●急性肝炎，劇症肝炎では，成因不明例が少なからず存在する．

参考文献

1)八橋　弘，矢野右人：急性ウイルス肝炎．臨床医 27：1288-1290，2001

2)前久保博士，他：札幌地区におけるE型急性肝炎臨床像の解明．厚生労働省肝炎等克服緊急対策事業「本邦に於けるE型肝炎の診断・予防・疫学に関する研究」班 平成15年度報告書，pp30-32，2004

3)鈴木一幸，滝川康裕，遠藤龍人：劇症肝炎及び急性肝炎重症型の予後に関するprospective study．厚生労働省特定疾患対策研究事業「難治性の肝疾患に関する研究」班 平成13年度研究報告書，pp87-96，2002

4)藤原研司，持田　智，松井　淳：劇症肝炎，遅発性肝不全(LOHF：late onset hepatic failure)の全国集計(2003年)．厚生省特定疾患対策研究事業「難治性の肝疾患に関する研究」班 平成16年度報告書，pp93-107，2005

5)持田　智，他：我が国の劇症肝炎，LOHFにおけるHEV感染の意義：全国集計からの検討．厚生労働省肝炎等克服緊急対策事業「本邦に於けるE型肝炎の診断・予防・疫学に関する研究」班 平成15年度報告書，pp33-34，2004