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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻5号

2007年05月発行

今月の主題 ウイルス肝炎 実地診療A to Z

その他 ウイルス肝炎診療において知っておくべきこと

劇症肝炎の診断と治療

著者: 井戸章雄1 桶谷真2 坪内博仁2

所属機関: 1京都大学医学部附属病院探索医療センター 2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学

ページ範囲:P.934 - P.937

文献概要

ポイント

●劇症肝炎は,発症から8週以内にプロトロンビン時間40%以下,昏睡II度以上の肝性脳症を生じる肝炎である.

●先行する肝疾患のないことが原則であるが,B型肝炎ウイルス無症候性キャリアの急性増悪例は劇症肝炎とする.

●遅発性肝不全(LOHF)は8~24週の間に昏睡II度以上の脳症が出現する肝不全である.

●劇症肝炎の診療では,救命率の高い生体肝移植の実施可能性をまず念頭に置く.

●内科的には,全身状態および合併症を厳重にモニタリングし,血液浄化療法を主体とした治療を行う.

参考文献

1)坪内博仁,桶谷 真:劇症肝炎及び遅発性肝不全(LOHF:late onset hepatic failure)の全国集計(2004年).厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成17年度総括・分担研究報告書,pp61-69,2006
2)藤原研司,持田 智,松井 淳:B型肝炎ウイルスキャリアの急性増悪例に対するラミブジンの有効性に関するprospective study.厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝疾患に関する調査研究」平成15年度研究報告書,pp107-113,2004
3)井戸章雄,坪内博仁:劇症肝炎に対するHGFの臨床応用―開発型の医師主導治験.医学のあゆみ 216:789-790,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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