文献詳細
今月の主題 ウイルス肝炎 実地診療A to Z
その他 ウイルス肝炎診療において知っておくべきこと
劇症肝炎の診断と治療
著者: 井戸章雄1 桶谷真2 坪内博仁2
所属機関: 1京都大学医学部附属病院探索医療センター 2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学
ページ範囲:P.934 - P.937
文献概要
●劇症肝炎は,発症から8週以内にプロトロンビン時間40%以下,昏睡II度以上の肝性脳症を生じる肝炎である.
●先行する肝疾患のないことが原則であるが,B型肝炎ウイルス無症候性キャリアの急性増悪例は劇症肝炎とする.
●遅発性肝不全(LOHF)は8~24週の間に昏睡II度以上の脳症が出現する肝不全である.
●劇症肝炎の診療では,救命率の高い生体肝移植の実施可能性をまず念頭に置く.
●内科的には,全身状態および合併症を厳重にモニタリングし,血液浄化療法を主体とした治療を行う.
参考文献
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