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文献詳細

雑誌文献

medicina44巻5号

2007年05月発行

文献概要

連載 Case Study 診断に至る過程・9

優先すべきこと

著者: 松村正巳1

所属機関: 1金沢大学医学部附属病院リウマチ・膠原病内科 2カリフォルニア大学サンフランシスコ校

ページ範囲:P.998 - P.1002

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病歴&身体所見

29歳,女性

主 訴:発熱

現病歴:生来健康であったが,3週間前から,37~39℃の発熱が毎晩出るようになった.5週間前には,4日間の発熱のエピソードがあり,このときは,同時に子どもも発熱しており,子どもは耳下腺炎と診断されていた.頭痛,咳,関節痛,消化器症状はなく,この3週間で体重が52kgから50 kgに減ったという.

既往歴:特記事項なし.小さい頃,耳下腺炎になったかどうかはわからない.

家族歴:特記事項なし.

嗜 好:たばこは1日10本吸う.アルコールは飲まない.

 常用薬はなく,最近の旅行歴,発熱している人との接触歴はない.ペットは飼っていない.主婦である.

身体所見:血圧90/50mmHg,脈拍94/分・整,体温37.8℃,呼吸数18/分.皮疹はなし.比較的元気にみえる.口腔内,咽頭に異常所見なし.右後頸部に2つ,左後頸部に1つ,右側腋窩に2つ,両側鼠径部に2つ,リンパ節を触れる.どれも径が0.5~2.0cmで,軽度の圧痛を認める.周囲との癒着はないが,消しゴムくらいの硬さである.胸部に異常所見なし.腹部で肝臓,脾臓は触れない.神経学的所見に異常はなし.

参考文献

1)Henry PH, Longo DL:Enlargement of lymph nodes and spleen, Kasper DL, et al (eds):Harrison's Principles of Internal Medicine. 16th ed, pp343-348. McGraw-Hill, 2005
2)菊池昌弘:特異な組織像を呈するリンパ節炎について.日血会誌 35:379-380,1972
3)藤本吉秀,他:頸部の亜急性壊死性リンパ節炎;新しい病態の提唱.内科 20:920-927,1972
4)Norris AH, et al:Kikuchi-Fujimoto Disease;A benign cause of fever and lymphadenopathy. Am J Med 101:401-405, 1996
5)浅野重之,他:壊死性リンパ節炎.別冊日本臨牀,血液症候群III:326-329,1998
6)Yoo JH, et al:Kikuchi-Fujimoto Disease;A benign cause of fever and lymphadenopathy. Am J Med 103:332-333, 1997
7)Smith KGC, et al:Recurrent Kikuchi's disease. Lancet 340:124, 1992
8)Blewitt RW, et al:Recurrence of Kikuchi's lymphadenitis after 12 years. J Clin Pathol 53:157-158, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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